ヴォーカリストのためのアレンジメントの第一人者、ネルソン・リドルはNat King Coleの1950年のMona Lisaと1951年のToo Youngの後、Capital RecordsでのNatの作品のほとんどで、アレンジャーとしてレコード・レーベルに名前が印刷される、オーケストラの指揮者として仕事をすることになる。
1951年から1962年までCapitol Recordsの事実上の音楽監督として有利な立場にあり、Frank Sinatraのアルバムおよびシングルの指揮とアレンジをする。またPeggy Lee、Judy Garland、Keely Smith、Dean Martinのアレンジやいくつかのインストゥルメンタル・アルバムおよびシングルをアレンジしLisbon Antiguaは1956年にゴールド・ディスクとなる。
また初期のTVにおいてもライヴと録画の両方で非常に多くの仕事をしていたが、その中でもProfiles in Courage(J.F.ケネディの本をドラマ化したシリーズ)、The Untouchables、Route 66、Naked Cityがよく知られている。Lolita(1961)、およびオスカーを受賞することとなったThe Great Gatsby(1974)を含め、およそ30の劇場用映画の音楽も作曲した。
1961年のJ.F.ケネディの就任式の音楽監督を務め、同様に、ロサンゼルスのBeverly Hiltonで開かれた、映画プロデューサーの草分けであったAdolf Zukorの100歳の誕生日を記念する式典でも音楽監督を務めた。1985年には、ロナルド・レーガン大統領のために、再び就任式の音楽監督を務めることとなる。
Nelson Riddleはアレンジャーとしての評価を受けて、ハリウッド・ミュージカル映画Carousel、Pajama Game、High Society、Guys and Dollsのスコアを依頼され、Li'l Abner、Paint Your Wagon、Can Can、Robin and The Seven Hoods、How to Succeed in Business Without Really Trying、On a Clear Day You Can See Foreverでは、音楽監督とアレンジャーを務めた。
1983年、カントリー/ロックのシンガーLinda Ronstadtとのスタンダード・アルバムを完成させる。驚くべきことに、このアルバムの売れ行きはすばらしいものである。このアルバムは、彼女の若いファン層だけでなく、誰もがよく知っていて好きな曲の、Lindaによる解釈を高く評価され、40歳以上の人をも引きつけて、ニューヨーク、ロサンゼルス、コンコード、コスタ・メサの4都市を回るツアーを行い、Lindaのロック・グループの代わりに、50人のミュージシャンから成るミニ・オーケストラを使って、'50年代や'60年代のアレンジメントを演奏する。
本書の主な内容
Chapter I 準備
1)スコア・ペーパー
2)スコア・ページのセット・アップの仕方
3)必要な道具
Chapter II アイディアを譜面に記す方法
1)メロディーのハーモニゼイション
2)パッシング・トーン
Chapter III ウッドウインド・ファミリー(木管楽器群)
1)セクションとしてのサクソフォン
2)セクションとしてのクラリネット
3)セクションとしてのフルート
4)ダブル・リード・ファミリー
5)フレンチ・ホルンを含む、クラシック・ウッドウインド・セットアップの活用
6)エレクトロニクスとウッドウインド
Chapter IV ブラス・ファミリー
1)セクションとしてのトランペット
2)セクションとしてのトロンボーン
3)トランペットとトロンボーンによるブラス・セクション
4)ブラス楽器と組み合わせたフレンチ・ホルンの使用法
5)ブラス・セクションと組み合わせたチューバ
6)エレクトロニクスとトランペット
7)ミュートとブラス
Chapter V パーカッション・ファミリー
1)マレット楽器
2)ドラム・ファミリー
3)オーケストラのカラーを豊かにするための、パーカッション・ファミリーの楽器の活用法
Chapter VI 鍵盤楽器
1)ハープ:オーケストラにおける使用
2)ピアノ
3)チェレステ
4)ハープシコード
5)アコーディオン
6)エレクトロニック・オルガン
Chapter VII リズム・セクション
1)ギター、バンジョー、マンドリン
2)ストリング・ベース
3)シット・ダウン・ドラマーおよびトラップ
Chapter VIII さまざまなリズムとその使用法
1)ラテン・リズム
Chapter IX ストリング・ファミリー
1)ヴァイオリンの使用法
2)ヴィオラの使用法
3)チェロの使用法
4)ベースの使用法
Chapter X アレンジにおけるヴォイスの使用
1)混声
2)女声
3)男声
Chapter XI 新鮮で独特なカラーを創り出すためのオーケストラのさまざまなセクションの楽器の組み合わせ
Chapter XII アレンジメントを構成するためのオーケストラのさまざまな要素の組み合わせ
Chapter XIII フィルム(映画)のための音楽
Chapter XIV 私自身の体験と音楽について