バークリー/ ギタリストのための作曲とインプロヴィゼイションの手引きの翻訳を務めた、NY在住のギタリスト、西藤 ヒロノブのデビュー作。 2004年2月、スペインのレーベル、フレッシュサウンドレコードより日本人初のアーティストとしてワールド・ワイド・リリースされたものです。
Featuring:Hironobu Saito(g)、Darren Barrett (tp on #6)、Walter Smith (ts on #1-4,7)、Milton Fletcher(p)、Yasushi Nakamura(b)、John Lamkin(d)
推薦のことば
このCDは、エキサイティングな若いミュージシャン達のグループによる、すばらしいCDである。彼らは、ジャズの伝統(スウィングや即興演奏、アンサンブルなど)を創造的に探究している。個々でみても全体でみても、これらのプレイヤーは、若いにも関わらず、音楽的な成熟ぶりをよく表している。ヒロは、今日のジャズシーンの中で、最も深い感銘を与えてくれた若手ギタリストの1人だ。彼は、美しいメロディック・コンセプトと強力なリズムフィーリングを持ち備えており、それは、若い演奏家の中においては非常にまれなことです。彼の音楽に対する専念と音楽的な成熟ぶりは、ジャズ界の中で、とても明るい有望な将来性があることを、彼に約束してくれることだろう。
ピーター・バーンスタイン
私は、ヒロが音楽やギターへの真の愛情を持ち備えていると確信している。そしてこのレコーディングは、その愛情や彼のヒーローでもあるグラント・グリーンやジョージ・ベンソンへの敬意の表われを、適切に証明してみせているといえるだろう。もし彼がこの道をこのまま歩み続けていくならば、前途多望なミュージシャンとしての経歴を謳歌することだろう。
マーク・ホイットフィールド
ただ一粒の種が満開の一輪の花となって育っていくことは、非常に稀なことである。同じ事が、ヒロの場合にも言えるだろう。私は彼がまだ生徒であった頃から、現在の経験豊かなジャズミュージシャンになるまで、その成長の過程をずっと見届けてきた。そして、彼は、ジャズへの深いアプローチの中で、このデビューレコーディングを持ってきた。彼は、伝統を運んできた。あなた達は、ヒロの演奏から、ウェス・モンゴメリー、ジョージ・ベンソン、ケニー・バレル、グラント・グリーン、マイルス・デイビス、ジョン・コルトレーン、セロニアス・モンクといった巨匠たち、またその他多数のジャズのパイオニア達からの影響が窺えるであろう。私は、このヒロの最初のレコードリリースと共に、ジャズ界へ喜んで心から歓迎したい。
リッチー・ハート
本作のレビュー
バークリー音楽大学を卒業後、2003年9月からニューヨークに拠点を移して活動中のギタリスト、ヒロ(西藤大信)がスペインのレーベルからリリースした初リーダー作。2003年のギブソン・ジャズ・ギター・コンテストで入賞を果たし、またピーター・バーンスタイン(g)をはじめとする多くのミュージシャンと共演するなどその実力は実証済み。ウェス・モンゴメリー、あるいはジョージ・ベンソンの流れを汲んだスタイルで、流麗な音色と「歌う」ギターが秀逸だ。今作は1曲を除いたすべてがヒロのオリジナルで、メロディーも美しく作曲能力の高さも評価したい。(2004年Jazz Life誌より)
収録曲
1. The Remaining 2%
2. Moonlight Waltz
3. The Unconscious
4. Memory
5. Afternoon in Arles
6. A Toon 4 the 121 Crew
7. Indiana Blue
演奏者 西藤 ヒロノブについて
(さいとう ひろのぶ) / ギター
フ レッシュサウンドレコード:
www.freshsoundrecords.com
1974年5月13日、宮崎県小林市生まれ。
幼少の頃よりピアノを習う。ギタリストとしてバンドを組んだのが中学時代。以来、数多くのセッションやライブ活動を展開する。大学卒業後、約1年間就職の後、アメリカボストンにあるバークリー音楽大学へ奨学金を得て、1999年より渡米する。ミック・グッドリック(MICK GOODRICK), ジョー・ロバーノ(JOE LOVANO/グラミー賞受賞者)、マーク・ホイットフィールド(MARK WHITFIELD), ピーター・バーンスタイン(PETER BERNSTEIN), ハル・クルック(HAL CROOCK),リッチー・ハート (RICHIE HART), ウォルター・ビーズリー(WALTER BEASLEY), ジョン・ウィルキンス(JOHN WILKINS), 小泉清人らに師事。ボストン、ニューヨークを拠点にライブハウス、コンサートホールなどで活動し、著名な数多くのミュージシャン達と共演する。
2002年1月、アメリカ、VICTORIA TRAVELのCM曲に参加。
2002年3月、バークリー音楽大学ギター科全生徒を代表して、ジャズギタリスト、ピーター・バーンスタインとDUO共演。 同年、夏、STANDARD DEVIATIONユS ジャパン・ツアー を行い、KBS京都テレビや、各地の新聞にその様子が取り上げられる。
2003年2月、CD「STANDARD DEVIATION」に参加。 同年3月、BERKLEE GUITAR DEPARTMENT ACHIEVEMENT アワードを受賞する。 同年4月、ATNより出版されたJON DAMIAN(ジョン・ ダミアン)の教則本 The Guitarist's Guide to Composing and Improvising ギタリストのための作曲とインプロヴィゼイション を翻訳する。
同年5月、ジョン・ラムキン(ケニー・ギャレット・バンド、ドナルド・ハリソン・バンドのメンバー)やダレン・バレット(エルビン・ジョーンズ・バンドのメンバー、NEGEL-HYERレーベル・アーチストであり、ジャズ界の権威であるセロニアス・モンク・コンペティションの優勝者)のプロデュースの元、自曲を中心としたCDを作成。 2004年2月、そのデビューCD THE REMAINING 2% がスペインのレーベル「フレッシュサウンドレコード」より日本人初のアーティストとしてワールド・ワイド・リリースされる。
2003年6月、バークリー/ワールド・パーカッション・フェスティバル 2003において、バークリー音楽大学助教授のCASEY SCHEUERELL(ケーシー・シュレール/チャカ・カーンやロベン・フォードバンドのメンバーとして知られているドラマー)の ンドのメンバーとして演奏する。
2003年10月、ギブソン・ジャズ・コンテストにて、山野楽器賞を受賞。
2004年3月、小松雄大バンドで日本ツアーをする。また同月、三好“三吉”功郎さんプロデュースによる「ジャズ・ギター三昧」のイベントに、天野清継、布川俊樹、小沼ようすけ、高内春彦らと共に参加し、その模様がシンコーミュージック出版の 「ジャズギターブック3」に掲載される。
2004年6月、ニューヨークのラジオ放送局WBAI FM99.5にて、演奏、インタビューなどが放送される。CDリリースに合わせて、インタビューや記事が、スイングジャーナル、ジャズライフ、ジャズギターブック等に掲載される。
2003年9月よりニューヨークへ移動し、現在も演奏や作曲活動を精力的に展開している。
2004年9月から10月にかけて、日本、ヨーロッパ、ハワイ、をツアーする。 11月、ブルーノートニューヨークに自己のグループで出演する。近日2nd Album The Sea をリリース予定。アイバニーズ(Ibanez Guitar)エンドースメント契約 アーティスト。